阻値を示すために、抵抗器は出荷時に表面に抵抗値を表示します。抵抗器に表示される抵抗値は、名目抵抗値と呼ばれます。実際の抵抗値と名目抵抗値は、通常、ある程度の差があります。この差は誤差と呼ばれます。抵抗器の名目抵抗値と誤差の表示方法には、直接表示法と色環表示法が主にあります。
- 直接表示法
直接表示法は、抵抗器に文字（数字とアルファベット）を使用して抵抗値と誤差を直接表示する方法を指します。直接表示法の抵抗値の単位はオーム（Ω）、キロオーム（kΩ）、メガオーム（MΩ）です。
誤差の表現には、一般的に 2 つの方法があります。一つはローマ数字 Ⅰ、Ⅱ、Ⅲ を使用して誤差を ±5％、±10％、±20％と表します。表示されていない場合、誤差は ±20％です。もう一つは文字を使用し、各文字に対応する誤差は表に示されています。たとえば、J、K はそれぞれ ±5％、±10％の誤差を表します。
文字と抵抗値の誤差の対応表
直接表示法の一般的な形式と例
2. 色環表示法
色環表示法は、抵抗器に異なる色のリングを使用して抵抗値と誤差を表示する方法を指します。
図中の 2 つの抵抗器は、色環表示法を使用して抵抗値と誤差を表示しています。そのうちの 1 つの抵抗器には 4 つの色環があり、4 環抵抗器と呼ばれます。もう 1 つの抵抗器には 5 つの色環があり、5 環抵抗器と呼ばれます。5 環抵抗器の抵抗値の精度は 4 環抵抗器よりも高いです。
色環抵抗器
（1）色環の意味
色環抵抗器の抵抗値と誤差を正しく読み取るには、各色環が表す意味を先に理解する必要があります。
色環抵抗器の各色環の意味は、以下の表に示されています。
表：4 環色環抵抗器の各色環の色と意味
（2）4 環抵抗器の読み取り
4 環抵抗器の抵抗値と誤差の読み取りは、以下の図に示すように行います。
4 環抵抗器の抵抗値と誤差の読み取り
4 環抵抗器の読み取りの具体的な手順は次のとおりです。
ステップ 1：色環の並べ方を判断する。
4 環抵抗器の色環の順序の判断ルールは次のとおりです。
①4 環抵抗器の第 4 環は誤差環であり、通常は金色または銀色です。したがって、抵抗器の 1 つのピンに近い色環の色が金または銀である場合、その色環は必ず第 4 環です。その環から他のピンの方向に並べられる 3 つの色環の順序は、3、2、1 です。
②色環の表示基準のある抵抗器では、通常、第 4 環と第 3 環の間には間隔があります。
ステップ 2：色環を読み取る。
第 1、2 環を有効数環、第 3 環を倍乗数環、第 4 環を誤差数環として、表と照らし合わせて色環抵抗器の抵抗値と誤差を読み取ります。
（3）5 環抵抗器の読み取り
5 環抵抗器の抵抗値と誤差の読み取り方法は、基本的に 4 環抵抗器と同じですが、異なる点は 5 環抵抗器の第 1、2、3 環が有効数環であり、第 4 環が倍乗数環、第 5 環が誤差数環であることです。また、5 環抵抗器の誤差数環の色は金色や銀色以外にも茶色、赤色、緑色、青色、紫色の場合があります。5 環抵抗器の読み取りは、以下の図に示すように行います。
5 環抵抗器の抵抗値と誤差の読み取り